広告写真の撮り方 : 2012 : 9月

HOME > BLOG

フォトグラファーのコスメティック・化粧品の撮影、無限の表現方法

投稿日:2012年9月19日

女性にとって化粧品は毎日使用するもので、何を使っているかななど、女性同士では気になる話題の一つですね。

今回は化粧品の撮影について少しだけふれてみます。

化粧品の撮影はジェエリー・アクセサリー撮影に近い感じもしますが、撮影すると多くの化粧品のボトル・ルージュ・アイライナーなどの商品形状は美しい曲線をデザインに用いていて、更に綺麗な光沢や鏡面仕上げなどで、デザインの美しさを競い合うように、デザインを時期・時代・流行に合わせて開発されています。 文字も金文字で鏡面になっていたりして、商品撮影の中でも、難易度は高いものです。

デジタルカメラの撮影になってからは、化粧水ボトルの銀色の鏡面の部分とガラスの透明なボトル本体、鏡面になっている商品のロゴ・名前などを別々に、カメラを完全に固定してカット分けして撮影、フォトショップでレイヤー合成を何十にもして画像が完成、と言う撮影も多くなりました。

フィルム時代での撮影では(フォトショップ2.0位の頃)、何が何でも一枚のフィルムで完結させる必要があったため、ビューカメラ(4×5カメラ)を使用して細かいレフ板やダリングスプレー、アートトレーシングペーパー(ユポでもOK)をキレイに用意して、ホコリ、指紋もギリギリまで取り除き、カメラを隠す細工や映り込みを調整して撮影してきました。

数年前(2010年)に、ある女性雑誌の副編集長とお話をした際の言葉ですが、

「うちの雑誌での化粧品撮影ではレタッチ無しは通常では、考えられないですね。」とページを化粧品の企画ページをめくりながら話をしていました。

また別の女性雑誌の編集長はレタッチソフトが進化してからカメラマンの技量を写真だけで、見ても解らなくなったので、新人フォトグラファーを起用する時は注意が必要だとも言っていました。

フォトグラファー人口はデジタル一眼レフカメラが30万円を下回ったあたりから、急増したように感じますが、多くの場合は人物撮影・ファッション志望のフォトグラファーで、化粧品やアクセサリーを撮る事を深く追求してるフォトグラファーを探すと、ぐっと人口が減ってくるように思えます。

また化粧品・コスメティック・宝石などは女性フォトグラファーが撮りたがるジャンルでもあるようです。女性フォトグラファーに会って、好きなジャンル・志望を聞くと、ファッションかコスメティック・アクセサリー・宝石・雑貨などに集中します。綺麗な物が好きと言う事なのでしょう。

男性フォトグラファーの撮影の場合(女性もそうですが)は職人気質でキチっと綺麗に金属のグラデーションを出したり、金色の金属部分を金色の紙やフィルターなど映り込まして金色が出るようにしたりと、非常に細かい作業を焦らず、正確に素早く撮影する方が多く見られますが、細かい作業なので、向き不向きはあるようです。

化粧品を撮影する時に注意している事は上げると、

商品の色、艶、素材感、透明感を映像・写真として再現する。(見た目通りに映らない事が多いです。その為の合成レタッチは必要ならば処理する)

クライアントの意思を尊重した上で、商品の特徴が映えるように、ハイライトや照明効果、演出・小道具を決定する。(行き過ぎた演出はしないように。)

画像合成はその場で合成してイメージを伝える。(水や光のイメージを合成する事は多い)

化粧品を実際に使っている女性の意見を良く聞く(購買層の意見は尊重)

化粧品の撮影は常に新鮮なイメージで古臭くならないようにしたいので、雑誌・テレビ・ネットで情報を吸収しておく。そして、踏襲しつつ、レベルアップさせる。(それ以外の商品撮影・ファッション撮影・フード撮影もそうです)

でしょうか。理想であり、そして現実です。

キャンペーンでのコスメティック・化粧品の撮影にはフォトグラファー以外にスタイリスト、クリエイティブディレクター、レタッチャーなど、多くのスタッフが関わる事が多く、時間もかかります、完成したイメージがクライアントに納品されて、世の中に写真・映像が公開された時、初めて販売数や売上と言う結果で撮影が成功したかが分かります。

今回はここまで。

コスメティック・化粧品の撮影で多用される水のイメージ、無限のパターンを表現できます。

撮影 スタジオ玄

 

フード撮影、食品撮影、料理の湯気・シズル感

投稿日:2012年9月6日

フード撮影・料理撮影の現場で「シズル感」と言う言葉を良く聞きます。

なにげなく「シズル感を出してください。」とクライアントが言ったり、リアルな感じを表現する事に使われる言葉ですが、元々は英語のsizzel(シズル)から成り立ってきた言葉で、意味合いは熱く煮えている感じ、シューシュー・ジュージュー・グラグラ感を表現する言葉です。

フード撮影では、このシズル感は熱いだけではなく、冷たいアイス、水々しい果物・野菜などにも使われており、オレンジから滴る果汁を撮影しながら、「いいシズル感だ」と言ったりして、

アツアツ感とかジューシー感とかヒンヤリ感などと言う事をまとめて言える便利な業界用語になっています。

今回はそのシズル感を表現するのに、重要な要素、湯気、蒸気についてです。

鍋物の撮影から、おでん、パスタ、ラーメン、丼物、炒め物、スープなど湯気が出てないと美味しそうに見えない料理、食べ物、食材は沢山あります。

ラーメンや肉まんの撮影で冷凍スタジオなる、大型の冷凍室をスタジオにしてある設備で撮影した事がありますが、効果は絶大で、かなりの熱々感を出してくれます。

ですが、いつも冷凍室が使えると言う訳ではありません、それに撮影する方も寒い訳です。

デジタル撮影になってから、湯気を強調したり、合成する事も当たり前のようになりました。

湯気を見せるための撮影方法はフィルムの頃から、あまり変化ありません。

ライティングは湯気に対して前から光を打っても湯気は見えないので。基本は後方ナナメから湯気に反射させるように、ライティングします。その時に料理に光を当てるか、湯気のみに光を当てるかは、料理の種類、見せ方で変わってきます。

また背景のテーブルやクロスが明るい色だと湯気が背景と同化してしまい、見え辛くなるので、濃い木目や、色の濃いクロス・テーブルを使用した方が良い感じになります。い

鍋物の撮影などは、火を止めた瞬間が一番湯気が発生するので、煮込んでから、火を止めた後の一瞬を狙って撮影します。鍋物で春菊などの葉物はすぐに熱気で萎んでしんなりしてしまうので、ギリギリまで入れないで最後に盛り付けます。

肉なども煮込み過ぎると色が茶色になってしまい、見た目が汚くなるので、肉も後から盛り付けて足していくと綺麗に煮込み中の絵が出来ます。

鍋の底に上げ底として大根の輪切りをいれたり、金網をいれると食材を大量に入れずに撮影が可能となります。

最後に撮影直前に霧吹きで濡らしたり、オイルを塗ったりして本番撮影です。

まだ暑い日が続きますが、鍋物が美味しい季節はもうすぐです。

今回はここまで。

名古屋コーチンの鳥鍋、湯気は自然に合成、鍋物はフード撮影の中で難易度の高い撮影ですね。

撮影 スタジオ玄

PAGE TOP ▲