広告写真の撮り方 : 撮影プロダクション・撮影スタジオの在り方

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撮影プロダクション・撮影スタジオの在り方

投稿日:2016年3月16日

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3月初旬に、ある広告撮影プロダクションの自己破産準備のニュースが入ってきました。1964年の第一回東京オリンピックの前よりも早く創立され、60年以上の歴史を持つ、最大手の撮影スタジオの自己破産の原因は、売り上げの大きな減少でした。紙からデジタル・メディアへの変化に対応しきれなかった事と、経営者が創業者のみの状態が続き過ぎ、事態の悪化を招いたのではないかと検証されています。

紙からデジタルメディアへの変更は撮影料金にも影響があり、同じ撮影でも料金が低いWEB価格のようなものが存在して、撮影業界、印刷業界を含む、業界全体を大きく変えている要因だと思います。それ以外も原因があると思いますが、老舗の最大手と言われた撮影スタジオ・プロダクションの歴史が終わりました。

別の見方では、フォトグラファーでも60年現役で撮影を続けるのは難しいことで、撮影スタジオ・撮影プロダクションの会社を60年存続させるのは凄いことだと思っていました。

起業して1年後に倒産する会社は30%、5年以内が80%と言われていて、30年続く確率は僅か0.025%と1%以下になっています。

東証一部上場企業は日本の企業の全体の0.04%と言われているのも、3代目が会社を潰すと言われてるのも頷けます。

特に撮影スタジオ・撮影プロダクションとなると、時代の変化に厳しく影響を受ける業態なので、60年以上続いた事は稀なことで、

今ある大手の撮影プロダクションも30年後はどうなっているかは解からないものです。

私の身近なフォトグラファーで現役で撮影してる方は70歳までで、多くの広告フォトグラファーは65歳前後で引退しています。

年齢とともに、自分を取り巻く人脈も引退していくので、余程のつながりと実力と対応力がないと

60歳以上のプロフェッショナル・フォトグラファーが生き残るのは、厳しいものです。

ただ、年齢は目安なので、数字で区分けするのもどうかと思います。

高齢化社会になるのは、避けられない事実なので、定年を75歳にする会社が登場してもおかしくないかもしれませんね。(定年の最低設定は60歳です)

私の所属するスタジオ玄は今年で創業26年になり、スタジオの業務を取り巻く環境も大きく変化をしてきました。

上記の数字を見ると、これからが正念場、変革の時期かもしれません。

近くにある大手のレンタルスタジオと撮影業務をしている会社は20年でスチール撮影とムービー撮影の比率が逆転してムービーが9割になっていることや、

また別の大手の撮影プロダクションでは、フォトグラファーを同じ数のフォト・プロデューサーがいる事など、ただフォトグラファーが沢山いるスタジオだけの撮影プロダクションは少なくなりました。

弊社も、所属するスタッフ・プロデューサー・フォトグラファー・シナマトグラファー・レタッチャー・クリエイター・ディレクターが、先を見た変革を続けていかないと、将来は見えてこないでしょう。

技術革新的な話では、ニコンから今月末発売される、D5が注目されています。常用感度が ISO 102400 と超高感度で画質も良くなっているそうです。

実際にテスト機を試しました。動画性能を確かめるために、65インチの4Kディスプレイに感度をISO 100から102400までの映像を見比べて、ノイズの状況を目で判断した所、D810の感度ISO 800と D5の感度ISO 3200の画質が近い感じがします。(販売前なので、データを持ち出して検証出来ないので、画像・映像がお見せできません。)

多少のノイズを気にしなければ、暗闇の蛍の撮影も出来ますね。

絞り2段の差は大きく、1000W必要だったライトが250Wでも撮影可能になります。

また、ニコンが発売しているVR機能である、手振れ補正と組み合わせて撮影すれば、暗い室内や、夕方の撮影などに大きな威力を発揮しそうです。これ位の感度が常用されるようになると、照明やストロボも小型の物で済むようになり、今後、ライティング機材の軽量コンパクト化、更にコストパフォーマンスに大きな影響を与えそうです。

今まで撮影出来なかった世界が撮影出来るようになり、写真にも映像にも大きな影響を与えることになるでしょう。

技術以外で、人の働き方、職種の変化も、見えてきました。

上記に書いた、フォト・プロデューサーやフォト・ディレクターは、比較的新しい職種で、プロデューサーは人の手配や、全体を見渡すような職種で、ディレクターは写真のクオリティーを管理・チェックするといった所で、営業も兼任してる場合も多いようです。

オウンドメディアと言う言葉も目立ってきたようです。自社会員サイトと言う意味合いが強いようですが、自社のイメージや利益に強く関係する事柄です。オウンドメディア・マーケティングに関する職種も増えてるようです。

自社でネット放送局を作る事もオウンドメディアに入る事なのでしょう。自社で放送局やラジオ局を作るのは夢のあるプロジェクトですね。

ネット放送は個人レベルでも出来ている事なので、こじんまりしたイメージもありますが、YouTubeの利用者数が10億人を超えている事や、ニコニコ動画などの利用者の 推移を見ていると、放送業界の環境革新は、今も進んでいます。

PCやタブレットはあるけど、テレビはもたないと極端な生活の人もいますし、実際、視聴率、テレビの視聴時間は減ってきています。

今のパケット通信料金が全て固定料金になったり、無料WiFiの普及など、通信料金と通信スピード次第で放送業界は変わると思います。実際4K放送はまだ実施されておらず、YouTubeなどでしか、4K映像が見れないのが現状です。フジテレビで4K放送をテストしていましたが、地上波でFullHDを流し、4K放送を同時にネット配信すると言うものでした。

4K映像を電波で飛ばすには、放送システムそのものを変更しなければならず、今、販売されている4Kテレビ自体も変更しなければならないそうで、この問題が、東京オリンピックの2020年まで、どう解決されるが心配です。

地上波で4K放送が無理だとしたら、今後、アンテナの代わりに、テレビを見るには、ネット回線が必須になってしまいます。そして、モバイル通信もセットで固定料金になるの時代も近いと思います。(全部ネット配信も厳しいとは思うので、地上波で4Kにして欲しいですね)

テレビ番組も録画して見て、CMを飛ばす事が増えているようで、録画率も視聴率と別に計測しているようです。そうなると見ないで飛ばされる確率の高いCMに使われる予算も変わってきて、その予算がオウンドメディアに使われたり、他のメディアに使わる事になってきているのでしょうか。

紙媒体メディアが減ったと言われてますが、本屋は無くなっていないし、チラシやポスターも無くなりません。デジタルメディアが増えて、総合的に撮影や編集、動画など、撮影に関する仕事は増えています。撮影プロダクションにも撮影スタジオにも、厳しいと言われながらも仕事は増えてきているので、どう理解して、取り組み、乗り切るのかが重要ですね。

私自身、フォトグラファーは、生きてる限り続けて行くつもりです。フォトグラファー以外にも魅力的な職種は沢山ありますが、フォトグラファーを根幹として、新たな発想、技術を駆使して、増え続けるメディアの撮影が続けていければ幸いです。

今回はここまで。駄文・長文失礼いたしました。

 

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