広告写真の撮り方 : 時計撮影

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ドレスウォッチ・高級腕時計の広告写真撮影

投稿日:2015年4月23日


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ドレスウォッチ・高腕時計の撮影はアクセサリーと時計の両方を合わせ持つ、高級品の代表のような商品撮影です。価格・価値も50億円のブレゲから、数十万円のロレックスに至るまで、様々な高級時計・高級腕時計が存在します。

高級時計は盤面から形状まで凝ったデザインで作られて、高級な皮ベルト、宝石、貴金属の装飾など、精密さと豪華さ、華美なものからシックなものまで、メーカー・ブランドによって様々ですが、撮影をする立場から見ると、表現する部分が多く、ライティングは数センチ単位、カメラアングルは数ミリ単位で調整していく、クリエイティブかつ職人のような緻密さを必要とする広告撮影です。

高級時計とは話が離れますが、メーカーカタログや雑誌広告などを見ると、時刻の表示がメーカーごとに微妙に違う事に気が付きます。

実際にHPを確認してみて回った結果ですが

カシオは10時8分37秒、

オリエントは10時10分35秒、

セイコーは10時8分42秒、(長針と短針がシンメトリーになります)

ロレックスは10時10分31秒、(10時11分32秒もありました)

フランク・ミューラーは10時8分36秒(デザインによって変わりますが・・)

シチズンは10時9分35秒、

とメーカーごとに表示の目安が違うのですが、

共通しているのは、ロゴマークが12時の位置にある事が多いので、ロゴマークを隠さないように、バランスが良い時刻表示になっています。

ロゴマークの位置が3時にあるタグホイヤーのフォーミュラなどは10時7分37秒でした。

表示時刻はロゴマークとデザインを隠さないように設定するのが基本となっています。

表示の基本設定はここまで、高級腕時計の撮影についてです。

時計の撮影は映り込みが多く、多くの時計の文字盤は緩やかな曲線の円か角になっています。また、曲線的なカーブをしている文字盤も存在します。映り込みの仕方も各腕時計によって様々です。

映り込みをカバーするためには、カメラアングルを決定してから、カメラから見た時計文字盤面の反射角度の先にトレペやユポで面光源を作る必要があります。面光源は基本的には、カメラの上から斜めに画面の奥から傾斜をかけておくと、映り込みが取り易くなります。

面光源を作ったら、ライティングをします。ライティングは基本的には、ストロボのヘッドを直接あてる事が多く、アンブレラやボックスライトを使う事は、殆どありません。

ストロボヘッドのリフレクターと呼ばれる、丸い部分に、グリットと呼ばれる、ハニカム構造になっている、光の直進性をだして、スポット効果をだす、ライティングのアクセサリーを使うと、面光源に対して、部分的にスポット的に当てる事が用意になるので、面光源に綺麗なグラデーションを作りやすくなり、反射のコントロールが楽になり、コントラストも付けやすくなるので、グリット(ハニカムヘッド)の使用はお勧めです。

高級腕時計の場合は文字盤の映り込みを取っても、竜頭やボディフレームにも、装飾か施されているので、また別の映り込みを取るための、面光源やレフが必要になります。

また装飾にダイヤなどの宝石を使用している場合は、宝石用のライティングが必要になる事もあります。

5cmほどの幅の中に、様々な質感と反射・透過をする装飾パーツ・デザインが凝縮されているので、一枚の写真で全てを完璧に表現が出来ないと判断した場合は、

ライティングを

文字盤用

文字盤のダイヤ・宝石用

フレーム・ベルトのハイライト用

と素材用のカットを合成して撮影して、3~5点の画像合成・レタッチをします。

素材カットを撮影する場合は基本ですが、カメラが動くと合成する事が難しくなるので、三脚に固定したまま、フォーカスと絞りを固定して、PC・MACなどに繋くか、レリーズを使って、動かないように、撮影する必要があります。全く動かない方が画像合成は楽になります。手でシャッターを押して、0.3mmずれただけでも、画面では、大きなズレになるので、手押しシャッターは禁止です。

また腕時計は撮影用に時刻を止めてある場合もありますが、止められない場合は、竜頭を引き上げておいて、針が動かないようにして、撮影後に竜頭を切り抜いて、通常の状態に見えるように、合成調整します。

現在の時計メーカーの殆どは、ホームページ上に各時計・腕時計の説明書をダウンロードして見れるようにしてあるので、時間の調整が分からない時は、それらを参照しています。

ホコリ・ゴミ・キズが目立ち易いので、綿棒・ブロワー・筆・セーム革などで綺麗にして、指紋が付きやすいものは、手袋をつけて、撮影前に汚れが付かないように注意します。

ムービーで腕時計を撮影する場合は、上記のようなレタッチ合成は1秒24コマか30コマとしても、の全てを処理するので、3秒使うだけでも大変な処理になりますね。

某CM編集スタッフさんと話をした時は、化粧品・宝石・腕時計・アクセサリー類はレタッチ・合成処理なしはありえないと言っていました。画僧処理・レタッチありきなのが、現在の撮影・編集方法なのでしょう。

腕時計の撮影は、フォトグラファー・撮影者によって表現の差が出やすい、商品撮影、イメージ撮影分野ですね。

今回はここまで。

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映りこみする商品、反射する商品の広告撮影

投稿日:2015年3月12日
白と黒の映り込みのバランスと文字盤の見せ方がポイントです。

白と黒の映り込みのバランスと文字盤の見せ方がポイントです。

上の写真は時計撮影の作品です。映り込みの理解をするのに、時計はちょうど良い被写体かもしれません。今回は時計などの反射する被写体の映り込みについてです。

商品写真、写真・映像では、商品・被写体に対する映り込みや反射角度を意識して撮影する事は以前に触れていますが、今回は更に掘り下げて考えてみます。

映り込みとは、鏡のように、商品・被写体に回りのものが映って見える事です。

貴金属・宝石・時計・金管楽器・ギター・ピアノ・ボトル・艶のある商品(プラスチックなど)、家電製品、鏡面の物以外でも映り込みする被写体はたくさんあります。また、自動車が、最も映り込みの多く複雑なライティング作業を必要とする被写体かもしれません。

ビギナー撮影用に販売されている、撮影ドームセットのような安価なセットもありますが、大きさに制限があるので、市販の物で初心者が撮影するにも、限界があるようです。

プロフェッショナルなフォトグラファーが使用する、映り込みをカバーするために使用しているアイテムに、トレーシングペーパーがありますが、それよりも更にコシがあり皺になりにくい樹脂素材のアートトレーシングペーパーがあります。またその中間になるもので「ユポ」と言うディフューズ素材もあります。それを利用して面光源を作ります。

映り込みを抑えて、綺麗に撮影するには、まず被写体をディフューズペーパーの面光源とレフ版で囲む基本的な撮影から、白く撮影用に塗られた壁、天井のある、白ホリゾント、Rホリゾント、ドームスタジオなどが上げられます。

ダリングスプレーと呼ばれる、無反射スプレーも有効ですが、商品の素材を損なわないように注意が必要です。メーカーでは、堀内カラー・クライロン・K-LINEなど、この3つが代表的なようで、黒い商品用のダリングスプレーもあります。

車の撮影などでは、ダリングスプレーを使用してハイライトを強調した事もありますが、

車の広告撮影には、ドームスタジオか、周りに高い建物や電線のないオープンスタジオが必要で、撮影スペースの確保だけでも、相当な予算がかかります。自社の撮影スタジオを自社工場内に持っている最大手自動車メーカーもありましたが、

3DCGが発達した現在では、車が完成する前にPC上でバーチャルな状態で車の完成させて、商業印刷までする事が可能なようで、都内にあった自動車撮影をメインにした撮影スタジオは、ほぼ閉鎖しています。

車は撮影の規模・予算が通常の商品撮影とは桁が違うので、バーチャルな方が予算が抑えられるかもしれませんが、手に取れるような商品では、完成した商品を写真撮影・動画撮影した方が、手早く、リアルに撮影出来るでしょう。

映り込みをキチンと抑えるには、基本のような事あり、商品・被写体の反射角度を理解するの当然ですが、広告写真では、メインライト・トップライト・バックライトと多灯ライティングで撮影する事が多いので、

トップに面光源を作り、両サイドにまた面光源を作る、コの字型を反時計したような形のセッティングが多くなります。面光源となるディフューザーにあてる照明も、スポットタイプの照明を使うと面光源と面光源のつなぎ目がぼやけて、被写体に継ぎ目の映り込みがしないようにできます。

デジタル撮影の場合なら継ぎ目をずらして、数カット撮影して、合成する事で継ぎ目を簡単に消す事が可能です。

どうしてもレンズ・カメラだけは、隠せないので、カメラ前を白か黒の布か紙でカバーしてレンズだけを出して、撮影する風景も良くありますが、カメラや三脚が黒ければ、カメラの後ろを薄暗くするだけでも、カメラ自身の映り込みは軽減できます。

カメラのレンズなどを撮影する際には、レンズの中の映り込みを綺麗に見せるため、レンズを上に向けて撮影して、切り抜いて横向きにしたりもします。その場合は、右か左のライトがトップライトに変わる訳です。商品の置き方も重要になりますね。

映り込みを把握して、撮影するには、商品を360°観察して、撮りやすいセッティングを考えてからセッティングをする事が重要だと思います。

今回はここまで。

 

 

 

 

 

 

 

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