広告写真の撮り方
プロフォトグラファーが撮影する、ドレスウォッチ・高級腕時計の広告写真撮影
スタジオ玄では、ドレスウォッチ・高級腕時計の広告写真撮影サービスを提供しています。
最近はApple Watchなどの電子時計、睡眠時間まで記録して、遭難すると救援信号を発進するような、スマートウォッチが目立ってきましたが、
スマートウォッチ以外のドレスウォッチ・高腕時計を好むセレブも多く存在します。ドレスウォッチ撮影は宝飾・アクセサリーと時計の両方を合わせ持つ、高級品の代表のような商品撮影です。価格・価値も50億円のパテック・フィリップ、オーデマ ピゲからブレゲ、数十万円のロレックスに至るまで、様々な高級時計・高級腕時計が存在します。
高級時計は盤面から形状まで凝ったデザインで作られて、高級な皮ベルト、宝石、貴金属の装飾など、精密さと豪華さ、華美なものからシックなものまで、メーカー・ブランドによって様々ですが、撮影をする立場から見ると、表現する部分が多く、ライティングは数センチ単位、カメラアングルは数ミリ単位で調整していく、クリエイティブかつ職人のような緻密さを必要とする広告撮影です。
高級時計とは話が離れますが、メーカーカタログや雑誌広告などを見ると、時刻の表示がメーカーごとに微妙に違う事に気が付きます。
実際にHPを確認してみて回った結果ですが
カシオは10時8分37秒、
オリエントは10時10分35秒、
セイコーは10時8分42秒、(長針と短針がシンメトリーになります)
ロレックスは10時10分31秒、(10時11分32秒もありました)
フランク・ミューラーは10時8分36秒(デザインによって変わりますが・・)
シチズンは10時9分35秒、
とメーカーごとに表示の目安が違うのですが、
共通しているのは、ロゴマークが12時の位置にある事が多いので、ロゴマークを隠さないように、バランスが良い時刻表示になっています。
ロゴマークの位置が3時にあるタグホイヤーのフォーミュラなどは10時7分37秒でした。
表示時刻はロゴマークとデザインを隠さないように設定するのが基本となっています。
表示の基本設定はここまで、高級腕時計の撮影についてです。
時計の撮影は映り込みが多く、多くの時計の文字盤は緩やかな曲線の円か角になっています。また、曲線的なカーブをしている文字盤も存在します。映り込みの仕方も各腕時計によって様々です。
映り込みをカバーするためには、カメラアングルを決定してから、カメラから見た時計文字盤面の反射角度の先にトレペやユポで面光源を作る必要があります。面光源は基本的には、カメラの上から斜めに画面の奥から傾斜をかけておくと、映り込みが取り易くなります。
面光源を作ったら、ライティングをします。ライティングは基本的には、ストロボのヘッドを直接あてる事が多く、アンブレラやボックスライトを使う事は、殆どありません。
ストロボヘッドのリフレクターと呼ばれる、丸い部分に、グリットと呼ばれる、ハニカム構造になっている、光の直進性をだして、スポット効果をだす、ライティングのアクセサリーを使うと、面光源に対して、部分的にスポット的に当てる事が用意になるので、面光源に綺麗なグラデーションを作りやすくなり、反射のコントロールが楽になり、コントラストも付けやすくなるので、グリット(ハニカムヘッド)の使用はお勧めです。
高級腕時計の場合は文字盤の映り込みを取っても、竜頭やボディフレームにも、装飾か施されているので、また別の映り込みを取るための、面光源やレフが必要になります。
また装飾にダイヤなどの宝石を使用している場合は、宝石用のライティングが必要になる事もあります。
5cmほどの幅の中に、様々な質感と反射・透過をする装飾パーツ・デザインが凝縮されているので、一枚の写真で全てを完璧に表現が出来ないと判断した場合は、
ライティングを
文字盤用
文字盤のダイヤ・宝石用
フレーム・ベルトのハイライト用
と素材用のカットを合成して撮影して、3~5点の画像合成・レタッチをします。
素材カットを撮影する場合は基本ですが、カメラが動くと合成する事が難しくなるので、三脚に固定したまま、フォーカスと絞りを固定して、PC・MACなどに繋くか、レリーズを使って、動かないように、撮影する必要があります。全く動かない方が画像合成は楽になります。手でシャッターを押して、0.3mmずれただけでも、画面では、大きなズレになるので、手押しシャッターは禁止です。
また腕時計は撮影用に時刻を止めてある場合もありますが、止められない場合は、竜頭を引き上げておいて、針が動かないようにして、撮影後に竜頭を切り抜いて、通常の状態に見えるように、合成調整します。
現在の時計メーカーの殆どは、ホームページ上に各時計・腕時計の説明書をダウンロードして見れるようにしてあるので、時間の調整が分からない時は、それらを参照しています。
ホコリ・ゴミ・キズが目立ち易いので、綿棒・ブロワー・筆・セーム革などで綺麗にして、指紋が付きやすいものは、手袋をつけて、撮影前に汚れが付かないように注意します。
ムービーで腕時計を撮影する場合は、上記のようなレタッチ合成は1秒24コマか30コマとしても、の全てを処理するので、3秒使うだけでも大変な処理になりますね。
某CM編集スタッフさんと話をした時は、化粧品・宝石・腕時計・アクセサリー類はレタッチ・合成処理なしはありえないと言っていました。画僧処理・レタッチありきなのが、現在の撮影・編集方法なのでしょう。
腕時計の撮影は、フォトグラファー・撮影者によって表現の差が出やすい、商品撮影、イメージ撮影の分野ですね。
今回はここまで。 撮影のご質問、相談、見積もりはこちらまで
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