広告写真の撮り方
広告ファッション・商品撮影・フォトグラファーと営業力
スタジオ玄では、ファッション撮影・広告撮影サービスを提供しています。
今回は広告撮影・ファッション撮影・商品撮影をするフォトグラファーの営業力について考えてみました。
広告撮影スタジオである弊社では、ある程度(5年以上位)の広告撮影の広告フォトグラファーになると、多少の差はあれ、ある程度の撮影を任せられるようになります。フリーフォトグラファーと違い、毎日、スタジオに入り、様々な撮影を経験するので、やる気次第で短期間である程度の実力を付ける事は出来ます。撮影が出来るようになったら、後は自分で撮影をして試行錯誤しながら、作品を増やしていく事になります。
最終的に目指すのは独立なのか、撮影スタジオの経営者になるのか、定年まで勤め上げるのか、やっぱり別の道を目指すのか、収入など含み、人生を左右する分岐点と選択が常にあるのは、フォトグラファー以外の職業でも同じです。
結構、世代的には古い話ですが、私は今からずっと昔にレンタルスタジオのスタジオマンからコマーシャルフォトの世界に入りました。毎日、違うタイプのフォトグラファーが来て撮影していくので、フォトグラファーの仕事の仕方の違いを、業務の中で観察して、覚える事が出来たのは、大きな経験になっています。
誰もが名前を聞いたことがあるような超有名なファッションフォトグラファー・スチルライフフォトグラファーも、無名ながら職人気質の腕の良いスチルライフフォトグラファーも、スタジオに訪れます。皆フリーランスフォトグラファーなので、自前のスタジオを持っている人は殆どいません。自宅を改造したり、マンションのリビング部分を撮影スタジオにしているフォトグラファーもいましたが、天井の高さや手狭なため、環境が良く、
クライアントも呼びやすい空間を作っているレンタルスタジオは当時は盛況で
予約が絶えない状態でした。(景気の状況も良かったようです)
(現在では、昔の白ホリゾントのスタジオは、かなり減り、レンタルスタジオの業界のメインはハウススタジオになっています)
数年でレンタルスタジオのスタジオマンを卒業して、スタジオに撮影に来ていた、フォトグラファーのアシスタント(直アシと言うやつです)を数年経験しました。
フリーランスのフォトグラファーの場合は、撮影は週に3回あれば多い方でしたが、同じ事務所にいるフォトグラファーが数名いたので、毎日のように何かしらの撮影アシスタントをしていました。 かなり知られている広告や大きな看板になる高額な金額が動く撮影のアシスタントだったので、プレッシャーもありましたが(当時はフィルムの管理と現像をしていたので、デジタル撮影の今より大変な責任がありました)、それゆえ、やりがいも感じたものです。有名なタレントを目前にライティングのチェックをしたり、その場所にいる大御所感オーラの出ている、AD・プロデューサーのやり取りを見たりして、なぜこの人たちは、ここにいて、この仕事を任されているまでの立場に成り立っているんだろうと、言葉にならない空気感から、学ぶ事も多い時期でした。
大きな仕事、大きな規模の撮影が来る流れの中には、必ず広告代理店が関わっている事を、この時期に知り、大企業のキャンペーン広告のムービー撮影から、スチール撮影までの大きな流れをアシスタントとして、数年見れた事は、貴重な経験です。
フォトグラファーの直アシも3年務めると、次のステップを考えて、独立するか、撮影会社に就職するか、または諦めるか・・、何かしらの進路を決める事になります。
自分の撮影したいジャンルを決めて、活動を開始して、華々しくフォトグラファーとしてデビュー!と行ける方は良いのですが、多くの方は、道に迷い、仕事に迷い、最終的に露頭に迷います。
道に迷い、先輩フォトグラファーに相談すると、生き残るためには、「営業力が絶対的に必要だぞ」
「人脈を大切にしろ」「稼いだら、15%位は接待なりに使え」などの助言と、人を大切にする、付け届けはきちんとすると、
全ての業種に通ずるアドバイスを頂き、『営業力』とは、考えます。
フォトグラファーの営業力とは何でしょう。フォトグラファー其々で営業方針は違うかもしれません。
生きていく上でコミュニケーション力・アピール力、自身のスペックを向上させるなど、
元々何も持たない平凡なフォトグラファーが生き残るためにすることは考え次第で無限にあるように思います。
あるグラビアを主に撮影するフォトグラファーは密な人付き合い、「飲み営業」をメインに活動していました。
(作品を見せた事もないけど、一緒に飲んでいる内に仕事を受けるようになったそうです、人柄を認めらる、人同士の繋がりですね・・)
また別のマルチに活躍するフォトグラファーは仕事をすると必ず、デザイナーやADにアポを取って、
仕上がりの印刷物を貰いに行き、そのたびにお土産を持っていって話を伺うようにしていました。
(御用聞きのような営業です。仕事のリピート率は高いようでした)
また写真に対して作品意識の高いフォトグラファーは、個展を定期的に開いたり、作品を見せに行ったりと活動して、地道に仕事を増やしていました。(そして上記の2名と同じような営業もしていました、正統派ですね)(CM作品と個人作品で2部のブックを作っていました)
雑誌をメインに活動しているフォトグラファーは自分で記事を書くようにしており、ルポライター・カメラライターとしても活動していました。営業方針は、「ひたすら仕事をする」でした・・(選ばないにしても、ずっと仕事があるのもすごい)
営業方法も今では、ネットを利用したHP・ブログ・SNSでの営業が普遍化して、他社との見積りを比較しやすくもなり、半端な営業方針では、生き残れない世界になってきました。(近年では、作品力のある方はインスタグラムなどのSNSだけで効果的な営業をしてますね)
どんな商売・職業でもハッキリしているのは、何のサービスをしているか、コストは?、クオリティーは?であって、
美容師なら、理想通りの髪型に切ってくれる技術と価格、人柄、
ラーメン屋なら、味と価格、次にお店の対応や店主の人柄など、気になりますね。
フォトグラファーも、どのような写真を撮影出来て、どのような人柄で、どのような対応力があるのかが求められると思っていますが、クオリティーを求められる撮影ほど、最終的には、写真に対する姿勢が問われます。
私の知っている各営業方針のフォトグラファーの行く末ですが、飲み営業のフォトグラファーは徐々に人脈が切れて廃業しています(もっと太い人脈があれが、生き残ったのでしょうか。)
デザイナーやADに挨拶回りを重要にしていたフォトグラファーは、主要のクライアントが廃業したことで、仕事が減り、廃業しました。
作品意識の高いフォトグラファーは、仕事が減っても、まだフォトグラファーとしての仕事は地道に続けています。(作品も撮り続けていました。)
撮影とライターを兼任している、フォトグラファーは60歳過ぎても仕事をしています。(切れ目なく仕事があるようです)(広告と雑誌はギャランティーに差があるので、仕事量でカバーしないと生きていけません)
年齢を重ねていくにつれ、仕事をしていたメンバーやクライアントも引退したり業種が変わったり、キチンと人の心を繋ぎ止めて、努力をしないと、その先で厳しい状況になったりする事もあるでしょう。
厳しいと言っていても何も始まらないので、手足が動き、目が見えて、頭がはっきりしている内は写真を撮り続けて、様々な人に関わって、自分を鼓舞していくしか、生き残る道は無いように思います。
楽な道はどこにもありませんし、フォトグラファーが生き残るための明確な答えはありませんが、生き残るために考えて動き続けて、イメージを発信できるフォトグラファーに最終的に良い結果は出るものと信じたいです。
60歳70歳を超えても行動力のある盛んなフォトグラファーでありたいものです。
まとまりがありませんが、今回はここまで。
雑文にて失礼いたしました。
撮影のご質問、ご相談はこちらまでお願い致します。
リバーサルフィルムでマニュアル一眼レフの頃の古い写真ですが、基本的に写真って何も変わっていない気がします。
スタジオ玄 山口 勉
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