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広告写真の撮り方

フード撮影・料理撮影の現場で「シズル感」と言う言葉を良く聞きます。

なにげなく「シズル感を出してください。」とクライアントが言ったり、リアルな感じを表現する事に使われる言葉ですが、元々は英語のsizzel(シズル)から成り立ってきた言葉で、意味合いは熱く煮えている感じ、シューシュー・ジュージュー・グラグラ感を表現する言葉です。

フード撮影では、このシズル感は熱いだけではなく、冷たいアイス、水々しい果物・野菜などにも使われており、オレンジから滴る果汁を撮影しながら、「いいシズル感だ」と言ったりして、

アツアツ感とかジューシー感とかヒンヤリ感などと言う事をまとめて言える便利な業界用語になっています。

今回はそのシズル感を表現するのに、重要な要素、湯気、蒸気についてです。

鍋物の撮影から、おでん、パスタ、ラーメン、丼物、炒め物、スープなど湯気が出てないと美味しそうに見えない料理、食べ物、食材は沢山あります。

ラーメンや肉まんの撮影で冷凍スタジオなる、大型の冷凍室をスタジオにしてある設備で撮影した事がありますが、効果は絶大で、かなりの熱々感を出してくれます。

ですが、いつも冷凍室が使えると言う訳ではありません、それに撮影する方も寒い訳です。

デジタル撮影になってから、湯気を強調したり、合成する事も当たり前のようになりました。

湯気を見せるための撮影方法はフィルムの頃から、あまり変化ありません。

ライティングは湯気に対して前から光を打っても湯気は見えないので。基本は後方ナナメから湯気に反射させるように、ライティングします。その時に料理に光を当てるか、湯気のみに光を当てるかは、料理の種類、見せ方で変わってきます。

また背景のテーブルやクロスが明るい色だと湯気が背景と同化してしまい、見え辛くなるので、濃い木目や、色の濃いクロス・テーブルを使用した方が良い感じになります。い

鍋物の撮影などは、火を止めた瞬間が一番湯気が発生するので、煮込んでから、火を止めた後の一瞬を狙って撮影します。鍋物で春菊などの葉物はすぐに熱気で萎んでしんなりしてしまうので、ギリギリまで入れないで最後に盛り付けます。

肉なども煮込み過ぎると色が茶色になってしまい、見た目が汚くなるので、肉も後から盛り付けて足していくと綺麗に煮込み中の絵が出来ます。

鍋の底に上げ底として大根の輪切りをいれたり、金網をいれると食材を大量に入れずに撮影が可能となります。

最後に撮影直前に霧吹きで濡らしたり、オイルを塗ったりして本番撮影です。

まだ暑い日が続きますが、鍋物が美味しい季節はもうすぐです。

今回はここまで。

名古屋コーチンの鳥鍋、湯気は自然に合成、鍋物はフード撮影の中で難易度の高い撮影ですね。

撮影 スタジオ玄

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