広告写真の撮り方
スチルライフ・ブツ撮り基礎ライティング 広告写真の照明・ライティング
2020年7月現在発売中の、玄光社・コマーシャルフォト7月号の「ブツ撮り基礎ライティング講座」の撮影・記事を担当しました。
(作成した記事を掲載したムックが2023年にコマーシャル・フォト集成スチルライフ撮影技法篇として発売されました)
派手な記事ではありませんが、照明・ライティングの基本の反射・透過・吸収を理解しやすく、狭いスペースでも(ワンルームマンションでも)ライティングして撮影出来る、コンパクトな撮影とライティングを基本にしています。
写真・映像を撮影する際に光がなければ何もできない訳ですが、光にも色々あるため整理してみます。以下見てください。
自然光 (晴れでも雨でも曇りでも台風でも野外の光は自然光です、星や月の光も自然光ですね)晴れであれば日中の屋外や窓の近くなど、自然光が十分に入る場所で撮影することで、柔らかく自然な光を得ることができます。室内の照明は室内光と呼んでます。
ストロボを使用する 人工的な光源としてストロボを使用することで、明るくシャープな写真を撮影することができます。ストロボの位置や角度を調整することで、光の当て方を調整できます。(ディフューズ・トレペ・ソフトボックスやリフレクターを使用して照明を柔らかくするために、ソフトボックスやリフレクターを使用したり。影を柔らかくしたり、光を均一にすることもできます)
あらゆる照明と自然光を駆使してライティングセット構築する
自然光もストロボも室内光も利用して照明効果を細かく調整するために、ライティングセットを構築することもあります。
色温度を調整することを理解する必要があり、照明の色温度を調整することで、写真の雰囲気を変えて、ライティング機材・照明を組み合わせることで、様々な撮影シーンに対応した光の演出を行うことができます。
上記は撮影時の光の種類についてですが
今回のストロボライティングをメインにしたスチルライフ・物撮りライティングは撮影初心者からハイアマチュアのフォトグラファーに読んで頂けたら幸いです。
撮影ライティングを理解するには、人によって習得する期間に差はありますが、フォトグラファー・アシスタントの最初の1~3年位は物理的理解をせずに、なんとなく、人のライティングを真似て、雰囲気でライティングをしてる人も多いと思います。
他人の撮影をアシスタントして見ているより自ら撮影対象物と向き合ってライティング・カメラのアングル・レンズの選択・演出の方法など総合的に考えて取り組み続けるしか、職業としてフォトグラファーして照明・ライティングをものにする手段はないかと思います。
撮影の技術の向上スピードは、人によって差があるものですが、ライティングは撮影・写真・映像を作り上げるための重要な一つの技術で、感性も必要です。
ブツ撮りのライティングは、人物と違い反射角度、映り込みを調整する必要があることなど、超物理的に、そして、かつ柔軟に考える必要があり、
全てが映り込みのような車のライティング(スタイリングと呼びます)の分野だと、5年以上の経験を必要とされます。車のライティングにおいては、車専門のライティングチームも存在しています。(現在はスタイリング・車の全体の映像・写真はCGを駆使することが普通になっており、撮影に必要とされていたドームスタジオなどは殆ど無くなりました)
撮影の照明・ライティングは(撮影技法全てを含みますが)
英会話で言えば、文法と単語がポツポツと繋がって、記憶した情報が整理されて機能して会話が出来るような感覚で、自分の頭の中で機能するまでは、情報と経験の蓄積に時間を費やします。
苦労して会得した情報や経験ほど、石板に刻まれた文字のように消えないもので、
ロケアシ・アシスタント時代に様々なフォトグラファーのライティング、撮影方法を見て、観察してきた事は、全て役に立ちます。
カメラとライティング機材は、超物理的なものなので、アングルやライティングをした作業の結果は、必然とした正確な結果として、写真・映像が出来るので、フォトグラファーの力量により、差が大きく出ます。(そしてミスや失敗もはっきり見えます)
カメラの実行撮影感度(綺麗に撮れる感度)は毎年のように性能が上がっています。
ただそれは、暗い場所でも撮影が出来るようになるだけで、基本となる意図的な光のコントロールには大切です。
照明・ライティンングの基本とは超物理的条件の把握です。
室内で自然光で撮影する場合でも、太陽の位置、日陰の位置、その時の曇り具合、時間による色温度の変化など、把握する必要です。
自然光が最高の照明・ライティングだと思いますが、自然光を完全にコントロールするにも、レフ板や補助照明、ディフューズなど、様々なテクニックを駆使します。
基本を理解して自分自身の光・ライティングの演出を出来るようになっても、被写体の数、クライアントの数だけ、求められるものは変わります。
ある意味、無限の表現領域とも思えるライティングの世界。
今回の写真記事が少しでも、誰かのヒントやキッカケになれば幸いかと思っています。
スタジオ玄 山口 勉
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