広告写真の撮り方
広告写真撮影 撮影でのレンズの選択について
canon 50mm 1.2usm 明るいレンズは暗い室内も明るく見せてくれますね。
ファッション撮影でも、フード・料理撮影、宝石、アクセサリー撮影、ムービー・CM撮影でも、最近は同じデジタル一眼DSLRが1台あれば対応出来るほどに、カメラは進化してきました。
どんなにカメラが進化しても、安価になっても、レンズだけは、あまり安価に、ならない傾向があり、高級レンズを揃えると、すぐにカメラボディーが数台買えるほどの金額になったりします。
DSLR(一眼レフカメラ)には、他の大型カメラにはないほどの、多彩なレンズが各メーカーから発売されており、初心者は、レンズを買うにも、どれから揃えたらと困る場合もあると思います。
レンズセットで販売されている、コンパクトDSLRには、18mmから50mmのズームや50mmから200mmのズームなどが付いていたりしますが、F値が暗いレンズが多く、解放絞りでもF4や5.6位のズームレンズが多く、暗い場所での撮影に不向きで、フォーカスを手前だけに合わせて背景をぼかす事も難しいものです。
ただ、写真は機材に頼らずとも、撮る人の気持ちと被写体の面白さに意味があるので、機材・レンズを追及しなくても良いフォトグラファーは沢山います。
広告・カタログ・雑誌などの撮影でも、ズームレンズしか持たないフリーランスフォトグラファーも知っています。
レンズに凝るとレンズ沼にはまって出てこれなくと言うフォトグラファーもいますし、あまりレンズに拘りすぎるのもお勧めできませんが、最低限度のレンズを所有していないと仕事に支障がきたすので、
今回は最初に、これだけは持っておきたいレンズについてお話します。
少し昔の話ですが、ハセッルブラッドが広告写真の定番カメラだった頃は、ハッセルブラッドの500CMのボディーを2台とレンズを数本、フィルムフォルダーを予備で2台もっていたものです。
どんなレンズを所有しているかは、フォトグラファーがメインに撮影している被写体によって違うのですが、
ファッションよりの人は6×6サイズのブローニフィルムカメラの標準レンズである80mm(プラナー)と中望遠の150mm(バリオゾナー)は持っていて、更に広角レンズにあたる50mm(ディスタゴン)をもっているフォトグラファーが標準的に多かったようです。150mmを諦めて120m(マクロプラナー)を使っているフォトグラファーもいました。当時はハッセルブラッドのボディーもレンズは超高価だったので、そんなに所有出来なかったのです。
過去を振り返って、フォトグラファーのレンズの選択を見てもわかるように、基本は標準レンズ、望遠レンズ、広角レンズを1本ずつは所有していました。
アシスタントだった頃の私が最初に買ったのは、標準レンズを無視して、キャノン用のタムロン社のsp90mmマクロとキャノンのFD24mmでした、90mmマクロは標準レンズの代わりにして、ポートレート用にボケ味のある写真も撮影していました。
被写体との距離が取れない(引きがない)ときは24mmを使用していて、旅行でもそのレンズを持ち歩いていた位で、広角の具合がとても良いレンズだと思っていました。
レンズを買い足していって最終的に200mmから20mmまで揃いましたが、それでも、sp90mmマクロと広角24mmは使用頻度の非常に高いレンズでタムロンのsp90mmマクロは絞り羽が壊れるまで活躍してくれました。
職業として、スタジオやロケで広告撮影やファッション撮影、フード撮影をする場合は、使うレンズは被写体に出来る限りベストなレンズを選ぶようになり、手持ちにない場合はレンタルもして撮影をするようになりましたが、
様々なフォトグラファーに会う機会も多かったので、ジャンルごと(性格にも依る)に持っているレンズに特徴がある事に気がついていて、
まずファッションよりのフォトグラファーは中望遠は良いレンズをもっていて、それ以外はズームレンズで済ます傾向が多いようです。
フードで活躍するフォトグラファーは中望遠マクロレンズとシフトレンズを持っている人が多いようです。
シフトレンズとは、アオリといって、大判カメラのようにレンズの角度を意図的に傾けるティルト操作と上下左右に移動させるシフト・ライズ・ォールが出来るレンズの事で、歪みパースをある程度軽減できて、通常では合わない部分にフォーカスを合わせたり、ボカす事が出来る特殊レンズで、一般的に所有するフォトグラファーは少ないレンズです。
フォトショップ・画像処理ソフトの進化でボケ味の操作も可能になってきましたが、レンズ操作でのボケ味やフォーカスを送る操作には、まだ敵わいものです。
シフトレンズは便利で映像・写真での、視覚効果も高いので必要なレンズですが、高価なレンズなので、全てのシフトレンズを揃えるには、結構な覚悟が必要です。(軽自動車1台買える位になります)
高価なレンズとなると筆頭に上がるのが、超望遠レンズになる、300mmF2.8や400mm500mm、望遠の200mmF2などが上がってきますが、個人のフォトグラファーで、これらを所有してる人は知ってるフォトグラファーでも、数えるほどしかいません。(たまにアマチュアでも野鳥を撮るフォトグラファーが持っていたりします、フリーランスのスポーツ写真・報道のフォトグラファーも持っていますが、新聞社や雑誌のプレス・フォトグラファーはメーカーとタイアップでレンタルしている事もあるようですね。)
ファッション撮影でも超望遠を使う事はありますが、基本的には、使う時にレンタルが通常です。(出番が多いフォトグラファーは買うのでしょうが・・・)
2015年の最近では、サードパーティー・レンズメーカーのシグマ・タムロンのレンズも安かろう悪かろうから、高品質なレンズを安価で出すようになってきました。8mmと言う超超広角レンズなども販売していて、カメラ・レンズメーカーの動きも以前とは変わってきています。(今でも、タムロンのSP90mmマクロは更に進化して良いレンズです。初代発売から25年過ぎました)
レンズについて考えたり、語ると、時間がいくらあっても足りないので、まとめに入りますが、
結論としては、趣味として、レンズを買うなら、よく撮影する被写体に合わせて、出来るだけ明るいF値の単レンズを買うと撮影が楽しくなります。まずは、必要なものを一点豪華主義でも良いのではないでしょうか。
何を撮るか分からないけど、レンズどうしようと思う人はズームレンズセットで良いと思いますが、撮影を楽しみたいなら、上記のように、マクロ撮影が可能なレンズと風景を撮るための明るい広角レンズがあると、素敵な写真が撮れるのではないかと思います。
普段はシビアなファッション撮影や商品撮影・イメージ撮影の話ですが、今回は基本のレンズ選びの雑文でした。
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