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広告写真の撮り方

弊社スタジオ玄が、広告写真撮影と並行して、広告用に商品動画を撮影する事は10年以上前から業務として続けていますが、WiFiやLTEの高速通信技術とスマートフォン・タブレットの普及とYouTubeのようなフリー・無料で使える、動画配信サービスの普及で、2010年過ぎあたりから、弊社では動画撮影・編集の需要は増え続けて、ムービーカメラマンは2名から4名に増えて、2名だった編集ディレクターも4名に増員されました。広告映像制作会社としては、規模は小規模ですが、スタッフレベルの成長は10年でかなり向上しました。

今回は、広告映像制作、商品動画撮影ついて、考えてみたいと思います。

miniDV・DVCAMの頃はテープで撮影していたので、ヘッドの磨耗なので、音飛びしたり画像が途切れたりと言うトラブルが発生したりするので、カメラと別のレコーダーに予備で録画をしたりしていましたが、現在の業務用のビデオカメラの殆どはメモリーカード対応になり、バックアップや予備も同時に2枚のメモリーカードに記録するだけで大丈夫になって、テープで撮影していた頃よりも、撮影機材周りはスッキリしました。

テレビなどの放送用(業務用とはまた違います)のカメラはHDCAMのテープを使っている事が多く、まだテープでの放送システム(HDTV)の方が主流になっています。テープの方が保管など取り回しがいいのだと思います。

業務用と放送用の機材の差は、一眼ムービー・DSLRムービーや4Kムービーカメラの登場で大きな変化を見せています。

放送用の機材と業務用機材の価格差は10倍近い差があり、その差は操作性・堅牢性・ルクス(感度)カスタマイズメニュー・解像度の違いなどに現れてますが、ずば抜けて画質が違うレベルでは無くなりつつあります。(一眼ムービー・DSLRムービーの登場からですが)

民生用(一般家庭用)に販売されている数万円のビデオカメラでも4Kムービーが撮影可能になり、4Kテレビも発売されていますが、2011年7月から地上デジタル放送化した時点では、FULL HDテレビが主流だった事もあり、新たに登場した4Kテレビ対する需要は低いようです。

2015年現在のテレビ放送もHDかFULL HDが主流で4K映像が見れるのはYouTube位しか見当たりません。

4K映像が主流になるのは、2020年の東京オリンピック頃でしょうか。

2011年の地デジ化の時期に買い換えたテレビが10年以上過ぎているので、各家庭が4Kテレビに買い替えているだろうと予想されます。(その頃には4Kテレビしか販売してないでしょうし)

その頃には、YouTubeのようなサイト・チャンネルが増えていて、放送局も今よりも、WEBと情報端末に特化して複合したサービスをしているでしょう。

機材・システム・ハードの事は後追いで、その時期に求めらる画質を提供すれば良いのですが、

映像ソフト・コンテンツに関しては、常に時期・時代に合わせた表現方法をを求められます。  撮影方法・カメラワークも10年前のテレビドラマと今のドラマでは変わって進化しているように、商品動画撮影や店頭VP(店頭ビデオプロモーション)でも、進化・変化を続けています。

DSLRムービー・一眼ムービーの普及で一眼レフの多彩なレンズを動画撮影でも使えるようになったため、レンズの選択の自由度が増して、その自由度は映像に現れて、

極端に浅い被写界深度(ピントが浅い)を生かした撮影や、軽いカメラを生かしたダイナミックなカメラワーク、アクションカム(小型ムービーカメラ)を多数同時に使えるようになったアングルチェンジの自由度など、テープ・フィルムで撮影していた時とは比べものにならない程の表現方法が増えています。

写真も映像も基本はフィックス(静止した画像)にあると思いますが、映像はカメラ自体が動く事で、静から動のバランスをだして、見ている視聴者、カスタマー、購買層を惹きつける事が可能だと思っていますが、カメラが動き過ぎると見ている方が疲れてしまうので、静と動のバランスが重要です。

動感を出すための機材も発達してきて、以前はレールとクレーンが主流で、横と縦の動きと円の動きがメインでしたが、

縦と横の動きを両方同時出来るクレーン・アームも出てきました。

ラジコンヘリの発達と兼価化でラジコンによる映像や、スポーツ会場の天井や空中にワイヤーを張って、俯瞰でスポーツ映像を撮影可能したりと、機材の軽量化で多彩な撮影方法が提案、実行されています。

グーグルグラスのような存在も今後進化して映像業界に影響を与えるのでしょうか。

軽量なビデオカメラ・一眼ムービー・DSLRムービー用の、スライダーやクレームも業務用に耐えるものが出て来てるので、狭いスペース、機材が持ち込めないロケ、環境でも、三脚での撮影のパーン・ズーム以外に横と縦の移動が可能になり、映像のクオリティは向上しています。

携帯・スマートフォン・タブレットでも、高画質なビデオ・ムービーが撮影可能になり、それをYouTube等で配信する事も、簡単に出来るので、映像を撮影する事に垣根がなくなっています。一般の人が撮影した映像を放送局のスタッフがYouTube等で見て、それを放送番組で紹介したりするのも日常的に見られる事で、WEBの映像配信サービスは、ある意味では、放送局を抜いていると感じますね。

誰でも簡単に映像を撮影・配信できるようになっても、誰でも写真を撮れるようになった時期と同じで、プロとアマチュアの差は埋められないものがあります。

その差を三脚や機材や照明と言う人もいますが、その差は監修・編集をするディレクターの演出や編集技術・コンセプトに比重がかかっていると思っています。

小規模の撮影では、撮影と編集をこなすディレクターも多いかと思いますが、スタジオ玄では、ディレクターとカメラマンは分けています。ディレクターは編集で必要な絵作りに集中して、カメラマンはカメラワークと照明などに集中するためです。

大規模な映像制作会社が絡むような撮影になると、照明チームとカメラチームに分かれての撮影進行になりますが、殆どはカメラチームで照明もこなします。

フォトグラファーが自分で被写体を照明をするのと同じで、ムービーでも、照明をカメラマンがするのは、自然な事だと思えます。

ムービーを主流にしてきたムービーカメラマンと、フォトグラファーを主流にしてきたムービーカメラマンの差は、ライティングと細かい部分のディティールの表現に差があるのではないでしょうか。

取材のカメラのENG(エレクトリック・ニュース・ギャザリング、イージェイとかイーエヌジェイと呼ぶ)は、報道カメラマンなので、瞬間を上手く撮影する事に特化したカメラマンが必要ですが、

商品広告用の商品動画撮影はディティール表現が重要で、商品の色、透明感、質感など、表現する範囲はスチール撮影と同じで、映り込みから、反射角度などを計算して、商品にあったセッティング・ライティングをしています。

動画撮影なので、カメラや被写体の見える角度が変わっても違和感のないライティングバランスをして、カットごとにライトの位置に変化ないようにするなどの、注意も必要です(当然の事ですが・・そうなってない映像を他で見ることもあります。)

キャストと呼ばれる演者さんも重要ですね。演者さんに撮影の意図が伝わって、効果的な動きとセリフ回しが出来て、商品の見え方も良くなってきます。

ディレクターとキャスト・演者、カメラマン、技術さんの意思が同じ方向に向かって進んだときに、良い映像と結果がついてくるのではないでしょうか。

映像とスチールの垣根が無くなってきた環境で、最後に重要なのは、やはり人の感覚と技術なのかと思う、カメラマン・フォトグラファー意見と考えですが。映像制作会社、広告写真制作会社の将来はまだ大きく進化しそうですね。

今回はここまでにします。

写真をクリックすると作例がご覧になれます。

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